《アルバム『Acoustic』:Interview with 健一&志門》前編

ミニアルバム『PARADIGM SHIFT』以来、約3年半ぶりとなる音源『Acoustic』が10月5日にリリースされるADDICT OF THE TRIP MINDS。
今回は、すでにCD化されている7曲に、ADDICTのアルバムには初収録となる「旋律」(オリジナルは男闘呼組・アルバム『5-3』に収録)を加えた全8曲を、健一さんと志門さんの二人によるアコースティックver.にて新たにレコーティング。
“アコースティック・アルバム”だからこその大変だったことや気付き、制作過程のあんなことやこんなこと、聞いてみました。
----このタイミングで、なぜアコースティック・アルバムを作ってみようと思ったんですか?
健一さん(以下K) 『relax TripS』(今年2月に行われたFCイベント)をやる時に、まず二人でアコースティックでやるってことだけを決めてたから、そのアコースティック用のアレンジというか譜面みたいのを志門に作ってもらって、スタジオに入ってみたら結構良かったんだよね。それでそのままの流れでライヴをやったらなかなか面白くて。で、これちょっと形にしてCDにしたらいいんじゃない? ってことで録りました。何日くらいだっけ?
志門さん(以下S) ギター自体は3日? 歌はまた別で。
K 歌も2日か3日くらいかな。
----じゃあ、ライヴ前のスタジオに入ってる時点でそれなりの手応えがあって…
K アルバム出そうってなった時には、もう志門にギターは全部まかせて、俺は歌に専念するみたいな感じだったから、このアルバムのギターは全部志門が弾いてる。
----えっ!そうなんですか!?
K アレンジも、『relax TripS』の時とかなり違ってると思う。
S 3曲くらいはそのままかな。あとは、録ろうってなってデモを作ってたらどんどんどんどん出てきちゃって。(←えーー、どんだけ!?)
K すんごいアイデアが出てきちゃって(笑)、もう、なにこのコード進行! なにこのフレーズ~! ってのがいっぱい出てきたから、それで歌を録るじゃない? だけどこのギターだけに合わせて歌うと、今までの歌い方がまったく通じなくて、これちょっと歌い方変えないとダメだな…って。それで、なんかベッドサイド・ミュージックじゃないけど、寝る間際とかリラックスしてる時とか、無になりたいとか一人になりたいとか静かになりたいとか、そういう時に聴けるようなのがいいなぁと思って録ってました。
----録り終えて自分で聴いてみてどうでしたか?
K ヘッドフォンで聴くとやたら“そこ”に居る感じで、いいなぁって。
S 生々しいですよね。
----私も初めて聴いたときヘッドフォンで聴いたら、もうすぐここで演奏して歌ってるみたいで、すごい生々しかったですよ。
S うんうん。
K それを目指してました。だから、そうなったんでしょうね。(←ちょっと嬉しそう・笑)
S めちゃくちゃよく聴くと、ちょっとした足音とか椅子の布が擦れるような音とか、たぶん気付く人は気付くかもしれない。
K だから、このくらいのレベル(声のトーンや力の入り具合)で歌ってる感じだよね。そうしないと合わないのよ、ギターと歌とメロディが。だから、結構今日はできないって日とかもあったしね。ちょっと持って、帰ってこの歌い方を練習するわって(笑)。改めて志門のアコギだけを聴いて練習して、あ、この歌い方かな? これかな?みたいな。志門が歌入れだけの時も来てくれてたから、「もうちょっとこうした方が」「えー!?」「あ、いいなぁ(笑)」とか、そんな感じで。
----歌い方、結構力抜けた感じで歌ってるから、スラッといけたのかなと思ったんですが。
K 全っ然いけなかった。(←力込もってる)
----逆に難しかったんですね💦
S 見つけるまでがね。見つけると一気に。
K そうそう(笑)。これだ! ってなるんだけどね。

----今回って『relax TripS』がベースにあって、選曲とかアレンジに関しても、二段階あったのかなと思うんですね。原曲→『relax TripS』→RECで。選曲は最終的に8曲ですけども、『relax TripS』ではこれにプラス「推察の最中で」と「孤独に自由に」の全10曲でしたが、そもそもこの10曲を選んだときって、どういう選び方だったんですか?
K (志門さんの方を向いて)どういう選び方だったの?
S できそうな…曲。
----収録しなかった曲とかも一通りやってみて?
S そう、やってみて。
----その中から形になりそうな10曲をピックアップした感じなんですね。じゃあ、そっから二曲落ちたのはどういう理由だったんですか?
S いや、なんかRECしずらいなって(笑)。あと、スケジュール的にも10曲となるとちょっと。単純に「推察の最中で」とかやるとなるとアレンジが間に合わなかったってのもあるんですよ。
K 10曲ってなんか、フルアルバムっぽくない? ちょっと多いなぁと思うし、“アコースティック”みたいなのだと、なんかお腹いっぱいじゃない方がいいんじゃないかなって。7曲とかでもいい感じくらい。
----腹八分目って感じですかね? アレンジとしては、原曲から一回目は曲によっては大改造して、二回目はそのまま磨いていったものもあれば、さらに手を加えてったものもあったりしたと思うんですけど、どの段階も基本的には志門さんが?
S うん、今回は。デモテープを一回作って聴いてもらって。
----それをまた二人で、みたいな?
K いや、できたらそれに対してもう歌入れるってだけ。録りながら思ったことを言って、みたいなことはよくあったかな。
----基本・志門さんアレンジで、その場で調整していった感じですね。
K ほんとはもっといろんな音…オルガンを入れたりとか、それこそ弦楽器を入れたりとかピアノを入れたりとか、するのもありかなーって思ってたんだけど、まずギターを録ってみたら、ほんとにギター一本と歌だけでいいんじゃないかなって思ったから、ほかの余計な音入れるのは一切やめようって。
S 考えましたもんね。ひとつ入れるとどんどん入れたくなっちゃうから、収集つかなくなっちゃうし。
K でも結構いい発見っていうか…あ、ここでハモリ入れると気持ちいいなこれ、とか。
----あのハモリをライヴでは志門さんがハモってくれるのかな? とか思ったんですけど(笑)。
K 別に再現しようとも思わない(笑)。
S たぶん、ライヴはライヴver.になるんじゃないですか? またいつものように変わっていくんだと思いますよ。
----あくまでも、前後はともかくコレはコレっていうことですね。
K そうそう。

K で、いまCDってもの自体がだんだん手に取ることがなくなってきてるけど、あえてこのベルベットな感じと前回のBlu-rayと同じサイズで。
----ADDICT仕様のパッケージ、今回はペパーミントの爽やかな色合いですね。これはどういうイメージなんですか?
K カッコイイとかじゃない方がいいな、と思ったんだよね。ちょっと上がるような感じ? 気持的に。なんか良くない? ブルーとピンクの組み合わせ好きなんだよね。
----色とこの手触りでちょっと癒され感はありますね。これで言うと、裏面のクレジットで「All tracks arranged and performed」のとこが、志門さんの名前の方が先になってますが、ここは当初逆だったのを健一さんが「志門を前に」って言ったって聞きました。
S まったく気にしてなかった。
K だって「arranged and~」って書いてあったら、俺アレンジそんなしてないし。
S 歌い方のアレンジは健一さんが…
K 歌い方はね。でもほら基盤を作ってるのは志門だから。

----ちなみに、せっかくCDができたし、11月7日の『relax TripS vol.2』とは別に、これを引っ提げてのライヴとかは考えてないんですか?
K 二人で回るってこと? 時間があったら回ったらいいなぁと思うけど…時間と場所? でも二人だけだったらどこでもできるよね。カフェとかでもできそうじゃない? (できるできる)
----せっかく二人で身軽だし、なかなか行けないような場所とか行ってみるのも…
K いや、だから一人でもギター持って行きたいなとか、志門と二人で回ったりとかしたいなって思ったりするんだけど、何せスケジュールがなかなか(笑)。
S ただでさえ(ロックオンで)全国回ってるのに、さらに回るっていう(笑)。
K それとくっつけて行けるのがいちばん理想だけど…
----健一さんがいる所に志門さんが行くっていう?
K そう、でもそんな体力ないよ💦って思ったりもするからね(苦笑)。だからちゃんとそれ用に時間とって。でも旅費もかかるし、じゃあ二人で運転交代しながら車で行った方がいいのかとかね。
S はははは。
----楽しいかもしれないですよ。
K いや、二人でずっと車は限界あるぜ~。いくら仲良かったとしてもさ~(笑)。まぁ、したことないからいいのかもしれないけど(ずっと笑ってる)。岡山とか行ってみたい。
S あ、ほんとですか?
K 志門の地元の方。岡山いい場所めちゃめちゃあるよね? 結構ギャラリーもいっぱいあったし、いいとこなのよ。アート的な地区があったりね。
S 昔よりは良くなって、そういうのありますね。瀬戸内海の島とかもいっぱいあるんで。全部がアートになってる島。
----直島?
S そう、2・3個あるんですよ。
K そこはヤだ(笑)。行くなら俺は見物しに行きたい。まぁ、場所は探せばいっぱいあると思うから、ちょっとスケジュール割り出して。あとはどのくらいの人たちが来てくれるのかってのもあるしさ。まぁ、どっかでやりたいとは思いますよ。
----では、ぜひ実現に向けて、楽しみにしています!

K子。/音楽ライター/ X
神奈川・湘南育ち。音楽と旅行と食べ歩きが大好物な、旅するライター。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。

